トルコ反政府デモ混乱続く

6月4日5時58分

トルコ最大の都市イスタンブールから各地に広がった大規模な反政府デモは、４日目の夜に入っても収束せず、一部で警察の部隊と衝突するなど混乱が続いています。

トルコでは若者たちや世俗主義の一部の野党の支持者などが、エルドアン政権は社会のイスラム化を進めているなどと主張して大規模な抗議行動を続けています。
３日には、抗議行動は全国の２００か所以上に広がり、このうちイスタンブール中心部のタクシム広場には若者たちが続々と集まり、「エルドアン首相は退陣せよ」などと叫びながらデモ行進や座り込みを続けました。
夜に入って広場は若者たちで埋め尽くされ、周辺では、首相府の建物に近づこうとしたデモ隊の一部に対し、警察の部隊が催涙ガスを発射しました。
野党や世俗派の知識人の間では来年行われる初めての大統領の直接選挙でエルドアン首相が立候補して勝利すれば、強権的になるのではないかという懸念も出ています。
デモに参加した男性は「強権的になろうとしている今の政権に反対するために、ここにいます。大きな変化が起きるまで、デモをやめるつもりはない」と話していました。
主要な労働組合の１つは政府に抗議して４日からストライキを行うと表明しており、事態が収拾する見通しはまだ立っていません。

「自制を期待」

アメリカのケリー国務長官は「アメリカは、表現の自由や平和的なデモの権利を強く支持している」と述べて、デモの権利自体は認められるべきだという考えを示しました。
そのうえで、「警官隊が過度な力の行使を行ったという報道を聞き、懸念している。こうしたケースについて十分な捜査が行われ警官隊が自制することを期待している」と述べて、トルコ政府の対応に懸念を示すとともに、事態の沈静化を求めました。
トルコは内戦が続く隣国シリアの状況の打開に向けても重要な役割が期待されており、アメリカではトルコ国内の混乱が続けばこうした取り組みにも悪影響が出かねないと指摘する声が上がっています。

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