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薬のネット販売検討会が議論打ち切り(01-06-2013)
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薬のネット販売検討会が議論打ち切り

6月1日4時58分

インターネットを使った市販薬の販売を巡って議論してきた厚生労働省の検討会は、安全対策のルールをまとめられないまま、31日夜、議論を打ち切りました。
政府は、今月取りまとめる経済の成長戦略に市販薬のネット販売を盛り込みたいとしていて、週明けから関係する4閣僚で調整することにしています。

インターネットを使った市販薬の販売を巡っては、ことし1月、最高裁判所が、国の規制は無効だという判決を言い渡したことで事実上解禁されており、厚生労働省は、ルールがないまま販売されれば健康被害が起きるおそれもあるとして、検討会を設けて新たな安全対策のルール作りを議論してきました。
しかし、11回目となる31日夜の検討会でも、全面解禁を主張するネット販売の業者と、副作用のリスクを理由に全面解禁はすべきではないとする医療業界の意見の隔たりが埋まらず、ルールをまとめられないまま、双方の意見を併記した報告書をまとめて議論を打ち切りました。
これを受けて政府は、週明けから菅官房長官と田村厚生労働大臣、それに甘利経済再生担当大臣と稲田行政改革担当大臣の4閣僚で調整することにしています。
政府は、今月14日に閣議決定する予定の経済の成長戦略に、市販薬のネット販売を盛り込みたいとしていて、4閣僚による調整では、副作用のリスクに対してどのような安全対策を講じるかを重点に意見が交わされる見通しです。

「話し合いが成り立たなかった」

検討会の委員で薬のネット販売をしている会社の後藤玄利社長は「厚生労働省や既得権益を持つ団体が議論の枠組みに入らず、話し合いが全く成り立たなかった。報告書は、肝心なところは両論併記になっていて、とても意見の取りまとめができたとは言えない。もし、最高裁判決を無視するような法律が作られるなら、再び訴訟を起こすことも辞さない覚悟だ」と述べました。

「消費者保護の観点も入れて判断を」

検討会の委員で全国薬害被害者団体連絡協議会の増山ゆかり副代表世話人は「取りまとめは、かなりの部分が両論併記で、検討会の委員として議論に参加しながら、どういう制度になるか見えずストレスがたまっている。医薬品は副作用のリスクがあるので、十分に情報が提供され、専門家のアドバイスも受けられる状況の中で購入すべきものだ。最終的には政治決着になると思うが、企業目線だけではなく、消費者保護の観点も入れて、安全対策をどうするのか判断してもらいたい」と話していました。

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