中国の地震死者156人けが5800人余
4月21日 0時2分
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20日に中国内陸部の四川省で起きたマグニチュード7.0の地震では、これまでに156人が死亡したほか、けが人も5800人余りに上っています。
被災地ではこれから雨が降りやすくなるという予報が出ていて、二次災害のおそれもあり、救援活動が難航することも予想されます。
日本時間の20日午前9時すぎ、四川省の雅安市蘆山県付近を震源とするマグニチュード7.0の地震があり、蘆山県を中心に多くの建物が倒壊するなどしました。
四川省政府が日本時間の20日夜遅く記者会見して発表したところによりますと、この地震で、これまでに156人が死亡しました。
けが人は5800人余りに上っていて、このうち390人はけがの程度が重いということです。
また、被災した人は150万人に上るということです。
被災地では今もがれきの中などに取り残されている住民がいるとみられるほか、地震の揺れで崩れた土砂や岩などで道路が寸断されて連絡が取れなくなっている集落もあり、犠牲者の数はさらに増えるおそれがあります。
救援活動には7000人を超える軍や武装した警察の部隊が動員されていますが、被災地では余震が続いているうえ、これから雨が降りやすくなるという予報が出ていて、新たな土砂崩れなど二次災害のおそれもあり、救援活動が難航することも予想されます。
20日夕方、ヘリコプターで被災地入りした李克強首相は、人命救助に全力で当たるよう指示したうえで、救援活動が進まず孤立している集落について、「空からと徒歩で『生命線』を確保する」と述べました。
四川省では、5年前の2008年5月にもマグニチュード8.0の大地震が発生し、8万7000人の死者・行方不明者が出ました。
中国の国内メディアによりますと、震源地に近い四川省雅安市蘆山県では、地震による土砂崩れで川がせき止められて湖のようになった「せき止め湖」が2か所できているということで、決壊して2次災害が起きることも懸念されています。
このほか蘆山県では、3つのダムで亀裂が入っているのが確認され、下流の住民を避難させるとともに、ダムの水を放出させる措置をとっているということです。
四川大地震の断層の南の端か
中国の四川省で起きた地震について、海外の地震活動に詳しい東京大学地震研究所の加藤照之教授は、「四川省から南側の中国の内陸の地域は、インドプレートと呼ばれる岩盤に押される力の影響で地震活動が非常に活発だ。今回の地震は、5年前に四川大地震を引き起こした龍門山断層帯という活断層の南の端か、やや離れたところで起きたとみられる。地震のメカニズムも逆断層というタイプで、四川大地震と同じだ」と説明しました。
また、「規模の大きな地震が起きたあとには、断層の端に当たる地域にひずみがたまりやすく、最初の地震から数年から10年以上たっても被害が出るような地震が起きることがある。今月13日に兵庫県の淡路島付近で起きた地震も、阪神・淡路大震災を引き起こした地震との関係が指摘されているが、今回、中国でも同じようなことが起きたと考えていいと思う。現地では、今後もマグニチュード6程度の地震が起きるおそれがあり、しばらくは注意が必要だ」と話しています。
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