首相中国の今後の国防政策を注視
3月6日 19時9分
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国会は、参議院本会議で2日目の代表質問が行われ、安倍総理大臣は、中国のことしの国防費の予算が去年に比べて10%以上の高い伸び率となっていることについて、「透明性を欠いた軍事力の増強は地域共通の懸念事項だ」と述べ、今後の中国の国防政策を注視していく考えを示しました。
社会保障と税の一体改革
この中で、民主党の長浜博行前環境大臣は、社会保障と税の一体改革に関連して、「安倍総理大臣は、先の予算委員会の答弁で、『参議院選挙のあとに社会保障改革を先送りしない』と明言したが、社会保障制度改革国民会議の議論のとりまとめは参議院選挙の前ということでいいのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「私の答弁は、『参議院選挙の前後に関わりなく、社会保障のあるべき姿をしっかりと議論していく』という趣旨だ。法律に基づくことし8月21日の期限に向けて、国民会議で精力的に議論するなどして、必要な法制上の措置を検討していく」と述べました。
中国国防費・領土教育
自民党の有村治子参議院議員は「中国の国防費は11兆1000億円余りで、この10年でおよそ4倍にも膨らみ続けている。こうした著しい増加傾向は、日本にとって軍事的脅威ではないのか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は「中国の透明性を欠いた軍事力の増強は、日本を含む地域共通の懸念事項で、国防費を含めた中国の国防政策について引き続き注視するとともに、関係国とも連携しながら、中国に対し、透明性の向上や国際的な行動規範の遵守を働きかけていく」と述べました。
また、安倍総理大臣は、島根県の竹島などの日本の領土に関する教育について、「子どもたちが自国の領土を正しく理解することは極めて大事だ。学校教科書の領土に関する記述は、これまでも充実されてきたが、引き続き、しっかり対応していく」と述べました。
原子力政策
生活の党の森ゆうこ代表代行は、原子力政策について、「脱原発の基本方針を決め、原子力発電所を国の責任で廃炉にし、電力会社が再生可能エネルギーに投資することで、原発以上に地域に雇用が生まれる。原発ゼロに踏み出す勇気はないか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は「エネルギーは、国民生活や産業活動の生命線で、需給に万全を期すことが必要だ。2030年代に原発稼働ゼロを可能とするという前政権の方針はゼロベースで見直す。見直しの議論のなかで、原発の廃炉の進め方や、立地地域への対応について検討したい」と述べました。
TPP
共産党の山下芳生参議院議員は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について、「TPPの交渉で日本の農産物の関税が撤廃されれば、農業は壊滅的な打撃を受け、食料自給率も激減する。安倍総理大臣は、食料自給率の向上を投げ捨てるつもりなのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「将来にわたる食料の安定供給の確保は、国家の最も基本的な責務であり、国内の農業生産の増大を図り、自給率を向上させることは重要だ。TPP交渉への参加いかんにかかわらず、農業の活性化は極めて重要な課題で、攻めの農政に力を入れていく」と述べました。
みどりの風の亀井亜紀子幹事長は「TPPは規制改革と切り離せない問題で、言うまでもなくアメリカからの外圧だ。各国のルールをアメリカ流に変えることをねらっている」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「複雑な利害が錯そうする多数国間交渉で、アメリカが自国に都合のいいルールを押しつけることが容易にできるとは考えられない。TPP交渉に参加するかどうかは、党内やアメリカとの協議を踏まえ、私が最終的に判断する」と述べました。
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