障害で２年遅れの小学校入学へ埼玉

3月1日21時31分

重い障害があり医療行為が必要だとして、埼玉県立の特別支援学校への入学を断られた８歳の男の子について、埼玉県川越市は、新たに看護師を配置することで市立の小学校に受け入れることを決め、男の子は２年遅れで入学することになりました。

小学校への入学が認められたのは、先天性の脳性まひで重い身体障害と知的障害がある川越市の広田明理くん（８）で、１日、両親と共に地元の小学校を訪れ、説明を受けました。
明理くんは、定期的に鼻からチューブを入れて胃に水分や栄養剤を流し込む必要がありますが、２年前に入学を希望した埼玉県立の特別支援学校ではチューブの挿入は医療行為に当たり、対応できないと断られました。
入学の条件として保護者の付き添いが求められましたが、両親は共働きのため付き添いができず、明理くんは「就学猶予」の制度を利用して市立の保育園に通ってきました。
去年２月に両親から相談を受けた川越市は、予算を確保したうえで、市立の小学校の特別支援学級に２人の看護師を配置して受け入れることを決め、明理くんは２年遅れで小学校に入学できることになりました。
父親の広田博志さんは「川越市には感謝したい。障害児がいて働きたい親はたくさんいると思うので、将来のためにも県教育委員会は改善をしてほしい」と話しています。川越市教育委員会は「両親と県教育委員会との間で接点を見つけてほしかったが、明理くんが早く学校に通えることを最優先し、特別な措置として対応した」と話しています。
また、学校への親の付き添いを求めてきた県教育委員会は「埼玉県ではチューブの挿入は学校現場で行う医療行為としては危険だと判断しているため、両親の望む形での教育が提供できなかった。どのような医療行為が学校現場で安心してできるか検討していきたい」と話しています。

Download (PDF, Video): (liên hệ Admin)