ロシア“隕石”落下で500人けが
2 月 15 日 19 時 14 分
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ロシア中部で、隕石(いんせき)とみられる物体が落下し、その際の衝撃で、広い範囲にわたって建物のガラス窓が割れるなどして、これまでにおよそ500人がけがをしました。
ロシア中部のチェリャビンスク州などで、現地時間の25日午前9時すぎ(日本時間の25日正午すぎ)、空から火の玉のような物体が白い煙を残しながら落ちていくのが目撃されました。
ロシア非常事態省によりますと、落ちてきた物体は隕石とみられ、落下中に強い光を発しながら爆発して、空中でバラバラになったということです。
ロシア内務省によりますと、この衝撃で、広い範囲にわたって、学校をはじめ、建物のガラス窓が割れるなどして、これまでにおよそ500人がけがをし、このうち20人以上が入院しているということです。
また、建物の被害は300棟以上に及び、中心都市のチェリャビンスクにある亜鉛工場では、建物の壁の一部が崩れ落ちるなどの被害も出ています。
このほか、チェリャビンスク州周辺で爆音がした直後、一時携帯電話での通話ができなくなったほか、州内の学校では授業を取りやめたということです。
ロシア非常事態省では、隕石が落下したものとみて、航空機を出動させて、チェリャビンスク州を中心に半径数百キロの範囲を捜索し、隕石の破片が残っていないか確認を急いでいます。
“ごう音飛行機墜落したかと”
チェリャビンスクで英語教師を務めるパベル・バーレットさんは、NHKの電話取材に対し、「当時、私は自宅で寝ていたが、ものすごいごう音が10秒から20秒にわたって続き、飛行機が墜落したのかと思って飛び起きた。私の住むアパートはすべての窓ガラスが割れるか吹き飛ばされてしまった」と、話していました。
また、市内の病院に勤める肉親の話として、「病院にはおよそ150人の住民が訪れており、ほとんどの人は切り傷などの軽いけがで、子どもたちはせん光やごう音による目や耳への違和感を訴えているようだ」と話していました。
さらに現在のチェリャビンスクの状況について、「多くの人が自宅や家族の状況を把握するため、職場を離れ帰宅している。電気や電話は寸断されておらず、パニックは起きていない」と話しています。
チェリャビンスク州ウラル山脈の工業地帯
隕石とみられる物体が落下したロシア中部のチェリャビンスク州は、モスクワから東におよそ1500キロメートルに位置し、カザフスタンと国境を接しています。
州の人口はおよそ367万人で、面積は北海道よりやや大きい、およそ8万8000平方キロメートルで、多数の湖があります。
ウラル山脈にある工業地帯に位置していて、鉄鉱石やマグネシウムなどを産出しているほか、軍事産業の拠点でもあり、このうち州北部の都市ミアスでは原子力潜水艦用の弾道ミサイルなどが製造されているとみられています。
ロシアで振動複数の地震計が観測
隕石が落下したとみられるロシア中部で発生した震動が、複数の地震計で観測されていたことが分かり、気象庁の担当者は、隕石の落下の衝撃や大気中の衝撃波などを捉えた可能性があるとみています。
気象庁によりますと、日本時間の15日午後0時20分すぎから午後0時半ごろにかけて、ロシア国内など、中央アジア周辺にある4つの地震計で、特徴的な震動が観測されていました。
解析の結果、震源はロシア中部の北緯56度44分、東経58度54分付近と推定されています。
気象庁の担当者によりますと、観測された震動の波形は通常の地震とは異なり、最初から振れ幅の大きいのが特徴で、隕石の落下や爆発による衝撃、または大気中に発生する衝撃波などを捉えた可能性があるということです。
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