被災企業がロシア極東進出へ

5月7日20時8分

東日本大震災で工場が全壊し、おととし６月に岩手県陸前高田市から札幌市に工場を移した水産加工会社が、販路の拡大を目指し、来月にも水産資源の豊富なロシア極東のウラジオストクに新たに工場を設け、現地で魚の加工などを始めることになりました。

この会社は、岩手県陸前高田市に工場を構え、魚や貝などを寿司ネタなどに加工して出荷していましたが、津波で工場が全壊し、従業員の多くも被災しました。
取引先の紹介でおととし６月、札幌市内に工場を設け、魚の加工や新商品の開発に取り組んできました。
会社は北海道に近く、漁業資源が豊富なロシア極東に注目し、取引先の金融機関の支援を受けて、来月にも中心的な港湾都市のウラジオストクに新たに工場を設けることを決めたということです。
工場では現地のロシアの企業と連携し、いくらのしょうゆ漬けや冷凍の刺身などの加工を行い、ロシア国内や日本向けの販売を目指すということです。
水産加工会社の武蔵野和三社長は、「東日本大震災でたくさんの人が亡くなる経験をして、『今頑張らないと』という責任を感じている。ロシアは冷凍設備など食品加工分野が遅れていて、われわれが入っていけるチャンスがある」と話しています。

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