パキスタン米無人機の攻撃は主権侵害
5月10日8時42分
アメリカがパキスタンの上空で無人機による武装勢力などへの攻撃を繰り返していることについて、パキスタンの裁判所は主権を侵害する行為だとして、今後アメリカが攻撃をやめなければ、政府は外交関係の断絶や無人機の撃墜を検討すべきだとの判断を示しました。
これはパキスタン北西部で、おととし、アメリカの無人機の空爆で殺害された男性の遺族が、無人機の即時飛行停止や損害賠償を求めて起こしていた裁判の中で、ペシャワール高等裁判所が９日に示したものです。
この中でペシャワール高等裁判所は、アメリカによるパキスタン領内での無人機の攻撃は、パキスタンの主権を侵害し、国際法に違反しているとしています。
そのうえで、アメリカが今後も無人機での攻撃を続けるならば、パキスタン政府は外交関係の断絶や無人機の撃墜を検討すべきだと結論づけています。
これについて遺族の弁護士は記者団に対し、「非常に歴史的な決定だ。世界で最も力のあるアメリカが２００２年以来、各地で違法行為に手を染めている」と述べてアメリカを批判し、１１日のパキスタンの議会選挙で誕生する新政権に対しても、裁判所の判断に従うよう求めました。
パキスタンでは、アメリカの無人機による攻撃で市民が巻き添えになる例も多く、アメリカへの反発が強まる大きな要因になっています。
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