西武ＴＯＢに一層強く反対する
4月12日21時54分
西武鉄道などを傘下におく「西武ホールディングス」に対し、アメリカの投資ファンドがＴＯＢ＝株式の公開買い付けに乗り出していることについて、西武は１２日、投資ファンドから文書で示された一部路線の廃止などの提案が撤回されていないとして、ＴＯＢに「一層強く反対する」と発表しました。
この問題では、西武ホールディングスの筆頭株主でアメリカの投資ファンド、サーベラスがＴＯＢを通じて西武ホールディングスの４５％近い株式の取得を目指すとともに、自社の幹部など８人を取締役として受け入れるよう求めています。
この提案について西武は１２日に取締役会を開き、ＴＯＢに「一層強く反対する」ことを決めました。
その根拠として西武はサーベラスから去年１０月に送られた文書を示し、西武秩父線など５つの路線の廃止や、プロ野球「埼玉西武ライオンズ」の売却などの提案があったとしています。
そのうえで西武は、提案はまだ撤回されていないとして、サーベラスがＴＯＢを通じて経営への関与を強めることになれば、鉄道など公共性の高い事業を持つ企業の価値が損なわれかねないと主張しています。
一方、ＴＯＢについて、サーベラスは「路線の廃止や球団の売却を要請したことはなく、今後も提案するつもりがないと繰り返し明らかにしており、根本的な事実関係の重大な誤解があることを大変懸念している」というコメントを発表しました。
両社が対立する背景には、西武の株式の上場を巡る主導権争いもあるものとみられていますが、双方の関係は一段と悪化しており、上場のメドすら立たない状況が続いています。
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