H7N9型鼻・のど・気道などで増殖
4月4日21時33分
中国でヒトへの感染が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザウイルスについて、国立感染症研究所は4日夜、これまでに明らかになったウイルスの特徴を発表しました。
ヒトの鼻やのど、それに気道などの細胞で増えやすくなっているとしています。
国立感染症研究所は4日夜、中国でヒトへの感染が相次いでいるH7N9型の鳥インフルエンザウイルスのうち、死亡した上海市の男性2人と重体になっている安徽省の女性1人から分離されたウイルスの遺伝情報を分析した結果を発表しました。
それによりますと、このウイルスは、通常の鳥インフルエンザウイルスと異なり、ヒトの鼻やのど、それに気道などの細胞に感染し、そこで増えやすくなっているということです。
遺伝子の配列から、鳥での病原性は低いことが判明しましたが、ヒトで激しい肺炎を引き起こすなど重症化する原因は不明で、研究所では、ウイルスに対する免疫がないことが関係している可能性があるとしています。
一方で、抗ウイルス薬が作用する遺伝子の一部に欠損があり、これまでの研究で、こうしたウイルスは病原性が高くなるという報告があるとしています。
国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの小田切孝人室長は、「遺伝子の特徴から、これまでのインフルエンザワクチンでは効果が期待できないと考えられ、新たなワクチンを開発する必要がある。感染源の特定に向け、同じウイルスを保有する動物がいるかどうか、詳しく調べるべきだ」と話しています。
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