中国「H7N9型」で2人死亡
3月31日 21時39分
中国政府は、これまでヒトへの感染が確認されていなかったタイプの鳥インフルエンザの感染によって、上海で2人の男性が肺炎などの症状を訴え死亡したと発表しました。
中国の衛生当局が31日、発表したところによりますと、死亡したのは上海市の87歳と27歳の男性で、2人とも先月、発熱や肺炎などの症状を訴え、87歳の男性は今月4日に、27歳の男性は今月10日に死亡しました。
その後、詳しい検査の結果、この2人は「H7N9型」の鳥インフルエンザウイルスに感染していたことが30日に確認されたということです。
また、中国東部安徽省の35歳の女性からもこの型のウイルスへの感染が確認され、女性は肺炎などの症状が重く、現在も治療中だということです。
鳥インフルエンザはこれまで、「H5N1型」などの感染例は多数報告されていますが、中国の衛生当局は、「H7N9型」のヒトへの感染は世界でも報告されたことがないとしています。
今のところ3人の周辺には新たな感染者はなく、ヒトからヒトへの感染も確認されていませんが、中国の当局は、3人の感染ルートやウイルスの毒性、それにヒトへの感染力などについて分析を進めるとともに、医療機関などに対して予防対策の強化を呼びかけています。
WHO=世界保健機関でアジア太平洋地域を管轄する西太平洋地域事務局の広報官は31日夜、NHKの取材に対し、中国での「H7N9型」の鳥インフルエンザのヒトへの感染は、世界で報告された初めてのケースになることを明らかにしました。
そのうえで、「今のところヒトからヒトへの感染は確認されておらず、感染が拡大する危険性は低いとみられるが、中国政府と連携して注意深く監視している」と述べました。
鳥インフルエンザに詳しい東北大学の押谷仁教授は「ウイルスの性質を分析しないと分からないが、2人が死亡し、1人が重症という現状からすると病原性は高いという印象だ。ただ、病原性が低いのであれば重症化しているのは感染した人のほんの一部だけかもしれない。ヒトからヒトへの感染が起きていないか、注意深く見ていく必要がある」と話しています。
鳥インフルエンザに詳しい東京大学医科学研究所の河岡義裕教授は、「H7型のインフルエンザウイルスは過去に病原性が高いものも低いものもあり、ウイルスを詳しく分析することでどちらのタイプか判断できる可能性が高い。今後のヒトへの影響を考えるには、ウイルスの分析に加え、このウイルスが中国でどの程度広がっているのか、また、ヒトへどのように感染したのか、といったことを調べる必要がある」と話しています。
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