韓国テレビ局や銀行にサイバー攻撃か
3月20日 20時40分
韓国で20日午後、主要な3つのテレビ局や大手銀行などで社内のイントラネットがほぼ同じ時間帯から使えなくなり、韓国政府は、「ハッキングにより不正プログラムが流されたことを確認した」と発表し、何者かによるサイバー攻撃の可能性が高いとみて詳しい状況を調べています。
韓国の公共放送KBSと民間放送のMBC、それにYTNで20日午後2時すぎから社内のイントラネットが使えなくなりました。
このうち、KBSでは、これまでのところテレビの放送に影響はないものの、社内のネットワークにつながっているパソコン数千台が使えなくなり、ニュース原稿の作成や編集作業などに影響が出ています。
また、ほぼ同じ時間帯から、大手銀行のシンハン銀行でもATM=現金自動預け払い機が2時間近くにわたり使用できなくなったほか、農協系の金融機関の社内の一部のネットワークも使えない状態になりました。
これについて、調査に当たっている韓国の放送通信委員会は、20日夕方、「ハッキングにより不正プログラムが流されたことを確認した」と発表し、何者かによるサイバー攻撃があった可能性が高いとみて詳しい状況を調べています。
韓国では、過去に北朝鮮によるとみられるサイバー攻撃があったことから、政府が警戒を強めていましたが、今回の事態について、国防省の報道官は「北の行動による可能性も排除できないが、現在の段階では判断できない」としています。
韓国政府は、サイバー攻撃について、警察や情報機関などにサイバーテロ対策室をそれぞれ置いて情報収集や捜査に当たっています。
過去には、2009年7月に、韓国やアメリカの政府機関のサーバーに大量のデータが送りつけられて一時機能が停止したことについて、初めて北朝鮮によるサイバー攻撃だと認定しました。
続く2011年3月にも、大統領府など政府機関のサイトが、同様の手口でアクセスしにくくなり、いずれもデータの発信元が、中国にある北朝鮮の政府機関だったとしています。
さらに2011年5月には、中国にある北朝鮮の政府機関からの不正なアクセスによって、農協系の大手金融機関のシステムで、ATM=現金自動預け払い機に障害が出たことを確認したと発表し、韓国政府は、ここ数年サイバー攻撃に対して、警戒を強めてきました。
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