米公民権運動の市民行進を再現
3月4日23時4分
アメリカ南部アラバマ州で、およそ半世紀前、黒人に対する人種差別の撤廃を求めた公民権運動の大きな節目となった市民の行進が再現され、苦難を乗り越えた歴史を忘れず、暴力や差別のない社会を目指そうという呼びかけが改めて行われました。
この行事は、アラバマ州中部の町セルマで3日行われたものです。
セルマでは1965年3月、平等な投票権を求めて運動する黒人の住民に対して、警察が暴行を加えて多数のけが人が出た「血の日曜日」と呼ばれる事件が起きました。
住民たちは、その後も当局による妨害を受けながら、セルマにかかる橋を渡って90キロ離れた州の中心都市まで行進を続け、このときの反響がきっかけとなって、5か月後に平等な投票権を認めた投票権法が成立しています。
ことしは、当時の公民権運動のリーダーで、後に暗殺されたキング牧師が、人種差別の撤廃を訴えた「私には夢がある」という演説からちょうど50年に当たり、さらにオバマ大統領の2期目がスタートしたこともあり、バイデン副大統領が数千人の市民らと共に、当時を再現するかたちで橋の上を行進しました。
参加した地元の50代の黒人男性は「先輩たちが成し遂げたことを、私たちの世代が子どもたちのために引き継いでいかねばならない」と話していました。
また、60代の男性は「自分たちの歩んできた歴史を忘れず、『夢』をいつまでも持ち続けることが大事だ」と訴えていました。
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