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1
(ハルコ)
ご飯を食べる時に使う「箸」。
2
これは「は」の方にアクセントを
付ける。はい!
3
(生徒達)「箸」!
4
で 川にかかってるこの「橋」。
5
これは「し」の方を強調して はい!
6
(生徒達)「橋」!
7
さらに端っこの「端」ってのもあんのよ。
8
「箸」の「端」をつかむのか「橋」の「端」を歩くのか。
9
(ボブ)あ~もう!日本語って
色々ややこしいんだよ!
10
はあ!?
もっと違いをハッキリさせろよ!
11
どういうことよ~。
12
例えば こないだ こいつに
晩飯 誘ったら…。
13
…って言ったくせに
来なかった。
14
(ポール)
だってさ「いい」って言ったら
普通は「ノー」って意味だろ?
15
なんでだよ。
「いい」は「オーケー」だよ。
16
ハルコ どっちが正しい?
17
どっちもじゃない?
(ポール)え?
(ボブ)はあ?
18
いいって意味の時もあるし
そうじゃない時もあるし→
19
その時によって どっちも
取れるからどっちも正解なのよ。
20
なんだ それ?納得いかね~よ。
(エレーン)はい!
21
…って言われたのに
断られたことがある。
22
だって それ「いらない」
って意味だからね。
23
どうして?「大丈夫は」
「オーケー」って意味でしょ?
24
まあ…そうだけど。
25
(王)
はい!私も「ちょうどいい」って
言いたくて…。
26
…って言ったら
怒られました!
27
そりゃ怒られるわよ。
28
「いい加減」って言うと
「適当」って意味だからね。
29
(ジャック)
その「適当」の意味もいい加減です。
え?
30
「適当」って言われたら
「何でもいい」という意味ですが→
31
問題文に「適当なものを選べ」と
書かれてたら→
32
ちょうど当てはまるものを選べ
という意味になります。
33
そっか…。
(ルカ)あと…。
34
(マリー)誰ですか。
…って聞かれた時にパソコンの
他に何のこと言ってるの?
35
いや…パソコン以外
指してないからね。
36
(金麗)
…って好きなの?嫌いなの?
誰?
37
そりゃ好きってことなんだよね。
38
しゃべってても
わけわかんねえよ。
39
わかんない時は その場で
聞けばいいでしょ!?
40
会話をやめて いちいち
聞くのですか?
41
(ダイアナ)それじゃ話が進みません!
42
面倒だし
誰も話 してくれなくなるよ!
43
何かハッキリした
ルールはないのですか?
44
じゃあ もういい!勉強しないよ!
45
それじゃ困るわよ!ちゃんと
全員 卒業してもらわないと!
46
ハルコ!何とかしてください!
47
(生徒達)そうだよ~。
(王)よろしくお願いしますよ。
48
(王)頼むよ。
わかったわよ!
49
なんとか すれば いいんでしょ!
50
う~ん。
51
ダメだ!どこにも答えがない!
52
(鹿取)
まあ確かに日本語には あいまいな
表現が たくさんありますからね。
53
なんとなくの感じでしか
わかるしかないしさ。
54
なんかこうバシッとした
答えはないわけ?
55
(渋谷)日本人でも戸惑うもんね~。
56
いいならいい!
好きなら好き!ってね。
57
あいまいさが分かんない
人たちには→
58
「イエス」なのか「ノー」なのか
ハッキリ言うべきよね!
59
(鷹栖)やっぱりおめえは
何もわかってねえな~!
60
なんでよ!
61
ハッキリさせないから
いいことだって あるんだよ。
62
「ノー」っていうより
「あ…大丈夫です」って答える方が→
63
相手への思いやりや気遣いを
感じられるだろう。
64
なるほど。
そういったあいまいさも含めて→
65
日本語なんだね~。
66
そういうコミュニケーションの
奥深さも教えてこそ→
67
これ…日本語を
教えたことになるんだよ~。
68
けど伝わんなきゃ意味ないじゃん。
69
んなこたぁない。
70
ま…おめえには日本語の奥深さを
伝える授業なんてのは無理だな。
71
決め付けないでくれる?
72
決め付けないで下さい。鷹栖先生。
73
決め付けないで下さい。
鷹栖先生。
74
鷹栖先生。お客様です。
75
だ~れ~。
76
あれ?
77
なになになに?誰 誰?
78
まさか…!
(鹿取)え?
79
鷹栖先生の元奥さんと
娘さんらしいです。
80
ええ~!?
81
♪♪~
82
まあ 座れよ。
83
(鹿取)ハルコ先生。見すぎですよ。
84
そりゃ見るでしょ~。
85
いや~しかし
あんな大きな娘がいたとはね~。
86
確か今年 高一らしいよ。
87
結婚って大変だなぁ。
俺は まだまだ自由の身でいいや。
88
しかし 何 話してんだろ。
89
あ…ちょっ…!ハルコ先生!
90
養育費の件なら すまん。
91
来月には何とかするから…な。
92
(香)
あいかわらずね。
私がそんなことで来たと思う?
93
はい?
ここに来たのは アヤカが
どうしてもっていうからよ。
94
この子ね あなたの…。
(アヤカ)お母さん。もういいって→
95
早く行けば?
そうお?
96
じゃ!
ちょちょちょ!待てよ。おい。
97
あの子 どうすんだよ!
7時には迎えに来るわ。
98
何いってんだ。お前。
10年も会ってないんだぞ。
99
だったら今日1日ぐらい
かまわないでしょ?
100
いや お前 1日ぐらいってさ。
101
じゃ よろしくね。
102
ちょっと…!
103
あ~なんか飲むか?
104
ねえ コーヒー的なものとか。
お茶的なものとか…ね?
105
どっちでも。
106
その「どっちでも」ってのは
飲むか飲まないかってこと?
107
それともコーヒー的なものでも
いいし→
108
お茶的なものでもいいってこと?
うざっ。
109
え~。
110
ああ…携帯…携帯ね。
携帯のことだったんだな。
111
そうだ ここで
ずっと待ってるんだったら→
112
職員室の俺の席 使ってもいいぞ。
113
いやいや それ普通に
おかしいし。
114
んんん?普通に?おかしい?
115
別に私の勝手でしょ?違くない?
116
「違く」…「ない」?どっちだい?
117
なによ あいつ。
全然わかってないじゃない。
118
私のことは
ほっといてくれていいし。
119
あ…。
120
完全に翻弄されている。
121
あんな鷹栖先生の顔 見るの
初めてです。
122
いい気味よ。
聞こえてんだよ!
123
何 見てんだ?お前ら。
いや…別にその…。
124
ばっちり見たわよ。
125
さっきは えらそうなこと
言ってたけど→
126
娘の日本語 全然わかってない
じゃない。日本語教師のくせに。
127
長い間 会ってないんだから
仕方がねえだろ!
128
だいたい そんなこと
お前に関係ねえだろ!どけ!
129
(チャイム)
フン!
あ!ヤベ!授業 授業!
130
(ボブ)お~いいね~。
131
(ダイアナ)制服かわいい。
132
コスプレじゃない本物。
初めて見ました。
133
お!すげ。いい写真撮れたぞ。
134
≪なになに?≫
(アヤカ)ホントだ。やばくない?これ。
135
やばい?どこが?
136
だって…いいじゃん。これ。
137
「やばい」っていいって意味でも
使うのかよ?
138
うん。
(生徒達)へ~。
139
みんな 知らないんだ。マジウケる。
140
全然ウケてないよ。
ウケてない時にも言うんだ。
141
マジウケる。
お~全然ウケてないよ。
142
スゲー真顔。
143
マジウケる~。
今度は ちゃんとウケてま~す。
144
どっちでも使うってことですね。
145
実用的ですね。
ちょっと!
146
おお~この子 ハルコの授業より
面白いぞ。
147
うるさいわね~授業 始まってん
だから早く席 着きなさい。
148
ねえ!
149
日本語の授業に興味あんの?
150
別に。
151
おい!
うわ~!ビックリした!
152
何?
ちょっと質問があるんだ。
153
何よ?
154
やっぱ いいや…。
気になるわね。言いなさいよ!
155
その~ 例えば…
まあ あくまで仮の話なんだが。
156
お前に…ものすごく長~い間
会えなかった父親がいたとする。
157
は?
だから仮の話だよ。
158
で お前は
そこに会いに行くとする。何故だ?
159
わかんないわよ。
だよな~。
160
てか 何?
その あやふやな質問。
161
要するに あの子が
何しにここに来たのか→
162
気になってるってことでしょ?
んなことは 一言も言ってないよ!
あくまで仮定の話だよ!
163
ふ~ん。聞き出してあげよっか?
えっ?
164
あの子が ここに来た理由。
そんなこと できんのかよ?
165
できるんですか?
ハルコ先生。
166
できるん…ですか?
ハルコ先生~。
167
元カリスマですから。こう見えても
人の扱いには慣れてるんで。
168
そっか。じゃあ頼むわ。
169
うっ!
ただし 条件があるわ。
170
もし それができたのならば→
171
今後一切 私の行動に
口出ししないって約束できる?
172
結構だ。俺が頼んだってことは
言うなよ。
173
あれ?父親の話は
仮の話じゃなかったっけ?
174
(コケッコッコー!)
(ピヨピヨピヨ)
175
♪♪~
176
さてと…。
177
何やってんだよ?入ってこいよ。
こっち!
178
えっ?
入って 入って。
179
どうしたんですか?
180
(アヤカ)すいません…
聞いてもいいですか?
何を?
181
皆さん
何で 日本に来たんですか?
182
俺は うどん屋になるため。
(アヤカ)は?
183
私は演歌歌手です。
俺 漁師。
私 忍者!
184
(アヤカ)意味わかんないし。
185
じゃあ 何で あんたは
ここに来たの?
186
この学校に来た理由は?
187
10年ぶりに
鷹栖先生に会いに来たんでしょ。
188
(ボブ)マジで!?鷹栖先生の娘かよ。
≪マジかよ?≫
≪ホント?≫
189
離れてる家族に
会いたいと思うのは当然です。
190
(王)私もたまに家族恋しい。
ハウスシックです。
191
ホームシックだろ!
192
私も息子に会いたいです。
193
え?
マリー 息子いんの?
194
うん。三番目の夫の。
(生徒達)ええっ!?
195
意外に波瀾万丈なんだ。
196
戦争で家族が離れて
会いたくても会えない人もいます。
197
会えるだけでも幸せです。
(王)せっかく会えたなら→
198
言いたいこと
言った方がいいです。
199
私は…あの人に確かめたいことが
あって…ここに来たんだけど。
200
ふうん…で?
201
中途半端じゃなく ハンパネェ
パネェ…→
202
ん?後ろにアクセントか。
パネェ パネェ!
203
ちょっと!
んっ!…お前かよ。
204
聞いてきたわよ。アヤカの気持ち。
ホントかよ おい!教えてくれよ。
205
アヤカ!
206
お前!俺から頼まれたって
言わずに 聞き出せつったろ!
207
あんたも ちょっとは
娘を見習えば?
208
アヤカはね あんたと話がしたくて
ここに来たのよ。
209
♪♪~
210
どうしても見ときたかったの。
あなたの仕事。
何で?
211
だって この仕事のために
私達を捨てたんだよね?
212
え?いや…
一概にそういうことではなく…。
213
私達のこと10年もほっといて
気にならなかったの?
214
気になるか ならないかといえば
ならないと言ったら嘘になるね…。
215
この仕事って何なの?
家族なんかより大事なの?
216
答えてよ。
217
う~ん…
そういったことに ついては→
218
そうおいそれと
答えるような問題ではなく→
219
今後 善処する所存では
あるんですけども…。
220
あ~ もう!何でそんな曖昧なの!?
イライラするわね。
もういい。
221
どこ行くのよ?まだ
どういう仕事か見てないでしょ?
222
そのために来たんじゃないの?
もういいの!
だいたいわかったし。
223
だいたいわかったしって
どういうことよ?
224
今の答えで十分よ。
225
はっきり言えないんじゃ→
226
どうせ大した仕事じゃ
ないってことじゃない。
227
私達…
そんなことで捨てられたんだ。
228
マジ ウケる。
229
待ちなさいよ!!
230
だいたいわかったとか言われて→
231
何で日本語教師ナメんなとか
言わないわけ?
232
あんた
いつも私に言ってんじゃない。
233
お互いわかったつもりになって
何なの?
234
これが あんたが言ってた日本人の
奥ゆかしいコミュニケーションなわけ?
235
じゃあ 家族より
自分の仕事の方が大切だった…→
236
そう言えばよかったのか?
237
言ったろ?はっきりさせない方が
いいことだってあるんだよ。
238
そんなの ただの言い訳じゃない。
239
自分の気持ちを
伝えようとしないで→
240
日本語の曖昧さに
逃げてるだけでしょ!
241
とにかく これ以上
関わらないでくれ。もう結構だ。
242
絶対
はっきりさせてやるんだから!
243
(鹿取)ずいぶん頑張ってますね。
244
う~ん!イライラしてきた。
245
何で日本語って
こう曖昧な表現が多いわけ?
246
それは…。
247
相手を思っていても→
248
はっきり伝えられないことって
あるじゃないですか。
249
けど 気持ちが伝わんなきゃ
意味ないじゃん。
250
ですよね。やっぱり。
251
ね これ 何て読むと思う?
252
「いか…た°」。
「た°」。
253
だよねえ。
254
♪♪~
255
ちょっと…。
いいから来なさい!
256
離してよ!
今のままじゃ あんた
ここに来た意味ないでしょ。
257
もういいんだって!
258
だって だいたいわかったし。
259
♪♪~
260
「わかった」に
だいたいなんてないのよ。
261
このままだと
あんたも あいつと一緒よ。
262
向き合わなきゃいけないものから
逃げてるだけ。
263
わかったつもりになってないで
向き合ってみれば?
264
あんたのために 10年分の
居残り授業してやるから。
265
授業?
266
早く!
267
じゃあ 始めるわよ~。
268
え~ みんなから質問が多かった→
269
日本語の あいまいな
表現についての答えですが。
270
「明確な基準はない!」というのが
答えよ。
え~!?
271
だから 慣れてってもらわなきゃ
仕方ないのよ。
272
何よ?それ!
ふざけんなよ。
そうだよ!
273
はいはい!
みんなの気持ちはわかるから。
274
実は昔 みんなと同じように
悩んでた人達がいたのよ。
誰だよ?
275
16世紀頃に日本に来た
ポルトガル人の宣教師たちよ。
はあ?
276
彼らは「ぱぴぷぺぽ」の発音で
悩んでたの。
277
半濁音ですか。
そう!もともと→
278
半濁音の丸のしるしは
日本には なかったものなの。
279
え~っ!?
280
これ なんて読みますか?
281
「はれ」だね。
282
じゃあ これ なんて読みますか?
「あっぱれ」。
283
同じ「は」なのに
「は」と読んだり 「ぱ」と読んだり!
284
どうやって
読みわけしてるんですか?
285
なんとなく…感覚っていうか?
286
感覚~!?
287
当時の日本人も 文脈によって
どう読むかを決めてたわけよ。
288
感覚で決めてるとか言われても
俺らムリだし!
289
なんとかしてください!
≪なんとかしてくださいよ≫
290
(ざわめき)
はいはい 静かに!
291
で ポルトガル人は
どうしたと思う?
292
♪♪~
293
はい これは
なんて読むでしょうか?
294
いか…とわ?読めません。
295
正解は…。
296
「いかだ」を ひとつ
作って欲しいのですが。
297
出た!まただよ!
298
いいか?うちが作ってるのは
「いかだ」じゃないの。
299
うちは「いかた」屋!
ほら これよく見てみろよ!→
300
「だ」じゃないですよって印
ちゃんと つけてるだろうが!
301
あ~!ホントだ。
302
この丸は
その印でしたか。
303
≪ああ≫
ん?
304
そこで ポルトガル人たちは→
305
この印を そのままもらって
半濁音の記号にしました。
306
じゃあ ぱぴぷぺぽの丸は
ポルトガル人が作ったの?
307
そう。彼らは この印をつけて
はっきりさせたの。
308
では やはり あいまいなものは
良くないという事ですか?
309
俺たちが言ってる事と
同じじゃん。
310
やっぱ日本語おかしいんだよ。
そうだよ。
311
(ざわめき)
312
はいはい 静かに!
313
やっぱり みんな そうなるよね。
そこで…。
314
うおっ!
あ~っ!
鷹栖先生!?
315
(ポール)何やってんだよ!
(エレーン)忍者ですか!?
316
いやいやいや…。
317
ようこそ 鷹栖先生。
318
さて みんな。この続きは
鷹栖先生に教えてもらいましょう。
319
うえ?
320
日本語を知るために
大事な事があるんでしょ。
お前 ちょっとさあ…。
321
鷹栖先生 この際
はっきりさせてくれよ!
322
そうだよ。
あいまいにしないでくれよ!
323
324
(咳払い)
お前達…。
325
なんでも はっきりさせる事が
大事なんじゃないぞ。
何でだよ!
326
日本語が あいまいなのには
理由がある。
327
日本語は この「和」の心を重んじて
断定を避けたり→
328
相手に配慮したりするから
あいまいになるんだ。
329
だが 大切なのは
あいまいだからといって→
330
投げ出さず
相手と向き合うことなんだ。
331
ポルトガル人宣教師たちは
きっと→
332
向き合うことを
諦めなかったんだろうなぁ。
333
わかりたい一心で 日本語の
文化の中に飛び込んだんだ。
334
だからこそ 彼らの残した
この小さな丸が→
335
今も日本語の中にあるんだ。
336
「和」の精神。
向き合う気持ちを
捨ててはいけませんね。
337
(ボブ)
難しくても諦めちゃダメだな。
338
さすが鷹栖先生!
素晴らしい授業です。
339
やっぱりハルコと違うな!
≪全然 違うよ≫
340
(拍手)
341
ちょ…ちょ…みんな待ってよ!
342
これ あたしがやったんだからね!
わかってないんだから もう…。
343
(王)ハルコ!わかってない!
344
わかってないのは
あんた達でしょ!
345
あたしが全部 やったんだから。
(ざわめき)
346
アヤカ…。
347
お前に 話しておきたい事がある。
348
349
お前の質問への答えだが…。
350
実は…捨てられたのは
父さんのほうなんだ。
351
えっ?
352
何の相談もせずに会社を辞めて
勝手に この仕事を選んだから→
353
母さんに愛想を
つかされちゃってな。
354
でも考えてみたら…本当は俺が
家族を捨ててたのかも知れん。
355
どういうこと?
356
わかり合えてたつもりになってた。
357
母さんと向き合わず
お前達の事も よく考えずに→
358
ひとりで勝手に決めてたんだ。
359
会えなかったのは
その罪悪感からだ。すまん。
360
しかし この10年間
お前達のことを→
361
忘れたことは 一度もなかった。
…お父さん。
362
あたしね 実は
今日の お父さん見てて→
363
もうちょっと一緒にいたいかも
って思った。
364
えっ!?
え…!?
365
いたい「かも」?
その「かも」っていうのは→
366
いたいってことを ほぼ
断定してるって意味だよね?
嘘でしょ!?
367
さっきの お父さん見て
私も決心がついたの。
決心!?
368
うん うん。
(アヤカ)私も…。
369
新しいパパのところへ
行こうって!
370
ええええっ!?
いやいや…新しいパパって?
371
遅くなってゴメンね アヤカ。
(アヤカ)お母さん!
372
早く。パパが自家用ジェットで
着く頃よ。
うん!
373
自家用ジェット?
ちょ…ちょ…
新しいパパって何者?
374
パパ ニューヨークの実業家なの。
ニュ…ニューヨーク?
375
だから私 海外で暮らすことに
一歩 踏み出せなかったんだけど。
376
今日 外国人の人たちとも
接することが出来たし!
377
最後に お父さんにも会えたし!
さ…最後?
378
ありがとうございました!
鷹栖先生!
379
行こ!お母さん。
あら もういいの?
380
うん!
パパが週末は
マイアミに行こうって。
381
(アヤカ)やった!水着どうしよう~。
(ジェット機の音)
382
あは…まあ ある意味 いろいろ
はっきりして よかったじゃない!
383
じゃ あたしは
これで帰りま~す。
384
待てよ!
はい?
385
ありがとな カリスマ。
386
(ドアの閉まる音)
387
(泣き声)
388
♪♪~
389
はっきり言わなきゃ伝わらない。
はっきり言わなきゃ…。
390
おはようございます。
391
カトリーヌ先生 おはようございます。
392
あの!
はい?
393
鹿取みゆきです。
394
あの よかったら
お茶でも どうですか?
395
ああ 自分でいれるから大丈夫。
いや!そうじゃなくて…。
396
今度 うちの茶室で。
茶室!?
397
あ いや…3人なんで お気軽に。
398
は…あ~すんごい お茶濁してる。
399
うわ…。
明日までに これ読んどけよ。
400
ちょちょ ちょっと…
あたしの授業に→
401
口出ししないって
約束したじゃん!
402
ん?そんな約束してないよ。
はぁ!?
403
だって あの時
約束するって 結構だって!
404
あ~!俺は あん時
「結構だ」としか言ってないよ。
405
あの「結構だ」は
ノーって意味でしょ。
いや ちょちょ…。
406
日本語の奥深さを
理解しないほうが悪いんだよ!
407
明日から これまで以上に
ビッシビシいくから 覚悟しとけ。
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♪♪~
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日本語って あいまいすぎ!
マジ ウケる~。