エジプト前大統領の再審理始まる

4月13日23時51分

おととしの「アラブの春」で、反政府デモの弾圧に関わったとして終身刑の判決を受け、その後、審理のやり直しが認められたエジプトのムバラク前大統領に対する再審理が始まりましたが、刑を軽くするのではないかとやじを受けた裁判長が、突如担当を外れることを決めるなど、波乱含みの展開となっています。

ムバラク前大統領は、おととしの反政府デモの参加者の殺害を指示した罪で終身刑の判決を受けましたが、ことし１月、検察側と弁護側の双方の申し立てを受けて、審理をやり直す決定が出されていました。
再審理は１３日、首都カイロの裁判所で始まり、ムバラク前大統領はおよそ１０か月ぶりに法廷に姿を現しました。
ムバラク前大統領は一時は危篤状態という情報も流れるなど、健康の悪化が取り沙汰されていましたが、法廷では鉄格子の中から笑顔で手を振り、元気そうな様子を見せていました。
再審理では前大統領の刑が軽くなるのではないかという臆測を呼んでいたため、冒頭から裁判官たちを非難するやじが飛び交い、開廷後まもなく、裁判長は、「審理を別の裁判所に移す」と述べたうえで、自分自身も担当を外れることを決め、波乱含みの展開となっています。
法廷の外では、「ムバラク前大統領に死刑を」などと訴えて厳罰を求める人たちと、前大統領の支持者たちの間で小競り合いが起きるなど、依然としてムバラク前大統領の処遇がエジプトの不安定要素となっています。

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