骨太の方針」原案明らかに
6月1日4時58分
政府の中長期の経済財政運営の指針となる「骨太の方針」の原案が明らかになり、２０２０年度までに政策に必要な経費を借金に頼らず税収で賄うなどとした従来の目標を維持し、社会保障費も聖域とせずに歳出削減を進めるとする一方、歳出削減額などの具体的な目標は盛り込まれていません。
それによりますと、財政再建に向けて、政策に必要な経費を借金に頼らずどれだけ税収で賄えているかを示す基礎的財政収支＝プライマリーバランスについて、「２０１５年度までに２０１０年度に比べ赤字を半減し、２０２０年度までに黒字化を目指す」として、従来の政府の目標を維持するとしています。
そのうえで、２０２１年度以降についても「債務残高の安定的な引き下げを目指す」として、財政再建に取り組む姿勢を打ち出しています。
そして歳入については、経済の成長戦略などを通じて税収の増加を図るとともに、消費税率引き上げ法などにのっとって、税制の抜本改革の実現にも着実に取り組むなどとしています。
また、歳出の削減については、「国と地方の双方で徹底した取り組みが必要なため、社会保障費も聖域とはせず、見直しに取り組むとともに、社会保障費以外も、一層の重点化と効率化を進める」として、社会保障費も聖域とせずに歳出削減を進める姿勢を明確にしています。
そして社会保障費の削減に向けて、「高齢者医療の自己負担の見直しを検討し早期に結論を得る」、「生活保護の支援のあり方を早期に見直し、不適正で非効率な給付を是正する」ことなどを挙げています。
一方、財政再建に向けた具体的な取り組みを示す「中期財政計画」については、「早期に策定する」としていて、歳出削減額などの具体的な目標は盛り込まれていません。
政府は、経済財政諮問会議でさらに議論を進め、今月１４日に「骨太の方針」を閣議決定する方針です。
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