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Video Nihonjin shiranai Nihongo_ Part 9
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Phút 0- Phút 5

1

  

(ハルコ)

ご飯を食べる時に使う「箸」。

 

2

  

これは「は」の方にアクセントを

付ける。はい!

 

3

  

(生徒達)「箸」!

 

4

  

で 川にかかってるこの「橋」。

 

5

  

これは「し」の方を強調して はい!

 

6

  

(生徒達)「橋」!

 

7

  

さらに端っこの「端」ってのもあんのよ。

 

8

  

「箸」の「端」をつかむのか「橋」の「端」を歩くのか。

 

9

  

(ボブ)あ~もう!日本語って

色々ややこしいんだよ!

 

10

  

はあ!?

もっと違いをハッキリさせろよ!

 

11

  

どういうことよ~。

 

12

  

例えば こないだ こいつに

晩飯 誘ったら…。

 

13

  

…って言ったくせに

来なかった。

 

14

  

(ポール)

だってさ「いい」って言ったら

普通は「ノー」って意味だろ?

 

15

  

なんでだよ。

「いい」は「オーケー」だよ。

 

16

  

ハルコ どっちが正しい?

 

17

  

どっちもじゃない?

(ポール)え?

(ボブ)はあ?

 

18

  

いいって意味の時もあるし

そうじゃない時もあるし→

 

19

  

その時によって どっちも

取れるからどっちも正解なのよ。

 

20

  

なんだ それ?納得いかね~よ。

(エレーン)はい!

 

21

  

…って言われたのに

断られたことがある。

 

22

  

だって それ「いらない」

って意味だからね。

 

23

  

どうして?「大丈夫は」

「オーケー」って意味でしょ?

 

24

  

まあ…そうだけど。

 

25

  

(王)

はい!私も「ちょうどいい」って

言いたくて…。

 

26

  

…って言ったら

怒られました!

 

27

  

そりゃ怒られるわよ。

 

28

  

「いい加減」って言うと

「適当」って意味だからね。

 

29

  

(ジャック)

その「適当」の意味もいい加減です。

え?

 

30

  

「適当」って言われたら

「何でもいい」という意味ですが→

 

31

  

問題文に「適当なものを選べ」と

書かれてたら→

 

32

  

ちょうど当てはまるものを選べ

という意味になります。

 

33

  

そっか…。

(ルカ)あと…。

 

34

  

(マリー)誰ですか。

…って聞かれた時にパソコンの

他に何のこと言ってるの?

 

35

  

いや…パソコン以外

指してないからね。

 

36

  

(金麗)

…って好きなの?嫌いなの?

誰?

 

37

  

そりゃ好きってことなんだよね。

 

38

  

しゃべってても

わけわかんねえよ。

 

39

  

わかんない時は その場で

聞けばいいでしょ!?

 

40

  

会話をやめて いちいち

聞くのですか?

 

41

  

(ダイアナ)それじゃ話が進みません!

 

42

  

面倒だし

誰も話 してくれなくなるよ!

 

43

  

何かハッキリした

ルールはないのですか?

 

44

  

じゃあ もういい!勉強しないよ!

 

45

  

それじゃ困るわよ!ちゃんと

全員 卒業してもらわないと!

 

46

  

ハルコ!何とかしてください!

 

47

  

(生徒達)そうだよ~。

(王)よろしくお願いしますよ。

 

48

  

(王)頼むよ。

わかったわよ!

 

49

  

なんとか すれば いいんでしょ!

 

50

  

う~ん。

 

51

  

ダメだ!どこにも答えがない!

 

52

  

(鹿取)

まあ確かに日本語には あいまいな

表現が たくさんありますからね。

 

53

  

なんとなくの感じでしか

わかるしかないしさ。

 

54

  

なんかこうバシッとした

答えはないわけ?

 

55

  

(渋谷)日本人でも戸惑うもんね~。

 

56

  

いいならいい!

好きなら好き!ってね。

 

57

  

あいまいさが分かんない

人たちには→

 

58

  

「イエス」なのか「ノー」なのか

ハッキリ言うべきよね!

 

59

  

(鷹栖)やっぱりおめえは

何もわかってねえな~!

 

60

  

なんでよ!

 

61

  

ハッキリさせないから

いいことだって あるんだよ。

 

62

  

「ノー」っていうより

「あ…大丈夫です」って答える方が→

 

63

  

相手への思いやりや気遣いを

感じられるだろう。

 

64

  

なるほど。

そういったあいまいさも含めて→

 

65

  

日本語なんだね~。

 

66

  

そういうコミュニケーションの

奥深さも教えてこそ→

 

67

  

これ…日本語を

教えたことになるんだよ~。

 

68

  

けど伝わんなきゃ意味ないじゃん。

 

69

  

んなこたぁない。

 

70

  

ま…おめえには日本語の奥深さを

伝える授業なんてのは無理だな。

 

71

  

決め付けないでくれる?

 

72

  

決め付けないで下さい。鷹栖先生。

 

73

  

決め付けないで下さい。

鷹栖先生。

 

74

  

鷹栖先生。お客様です。

 

75

  

だ~れ~。

 

76

  

あれ?

 

77

  

なになになに?誰 誰?

 

78

  

まさか…!

(鹿取)え?

 

79

  

鷹栖先生の元奥さんと

娘さんらしいです。

 

80

  

ええ~!?

 

81

  

♪♪~

Phút 5- Phút 10

 

82

  

まあ 座れよ。

 

83

  

(鹿取)ハルコ先生。見すぎですよ。

 

84

  

そりゃ見るでしょ~。

 

85

  

いや~しかし

あんな大きな娘がいたとはね~。

 

86

  

確か今年 高一らしいよ。

 

87

  

結婚って大変だなぁ。

俺は まだまだ自由の身でいいや。

 

88

  

しかし 何 話してんだろ。

 

89

  

あ…ちょっ…!ハルコ先生!

 

90

  

養育費の件なら すまん。

 

91

  

来月には何とかするから…な。

 

92

  

(香)

あいかわらずね。

私がそんなことで来たと思う?

 

93

  

はい?

ここに来たのは アヤカが

どうしてもっていうからよ。

 

94

  

この子ね あなたの…。

(アヤカ)お母さん。もういいって→

 

95

  

早く行けば?

そうお?

 

96

  

じゃ!

ちょちょちょ!待てよ。おい。

 

97

  

あの子 どうすんだよ!

7時には迎えに来るわ。

 

98

  

何いってんだ。お前。

10年も会ってないんだぞ。

 

99

  

だったら今日1日ぐらい

かまわないでしょ?

 

100

  

いや お前 1日ぐらいってさ。

 

101

  

じゃ よろしくね。

 

102

  

ちょっと…!

 

103

  

あ~なんか飲むか?

 

104

  

ねえ コーヒー的なものとか。

お茶的なものとか…ね?

 

105

  

どっちでも。

 

106

  

その「どっちでも」ってのは

飲むか飲まないかってこと?

 

107

  

それともコーヒー的なものでも

いいし→

 

108

  

お茶的なものでもいいってこと?

うざっ。

 

109

  

え~。

 

110

  

ああ…携帯…携帯ね。

携帯のことだったんだな。

 

111

  

そうだ ここで

ずっと待ってるんだったら→

 

112

  

職員室の俺の席 使ってもいいぞ。

 

113

  

いやいや それ普通に

おかしいし。

 

114

  

んんん?普通に?おかしい?

 

115

  

別に私の勝手でしょ?違くない?

 

116

  

「違く」…「ない」?どっちだい?

 

117

  

なによ あいつ。

全然わかってないじゃない。

 

118

  

私のことは

ほっといてくれていいし。

 

119

  

あ…。

 

120

  

完全に翻弄されている。

 

121

  

あんな鷹栖先生の顔 見るの

初めてです。

 

122

  

いい気味よ。

聞こえてんだよ!

 

123

  

何 見てんだ?お前ら。

いや…別にその…。

 

124

  

ばっちり見たわよ。

 

125

  

さっきは えらそうなこと

言ってたけど→

 

126

  

娘の日本語 全然わかってない

じゃない。日本語教師のくせに。

 

127

  

長い間 会ってないんだから

仕方がねえだろ!

 

128

  

だいたい そんなこと

お前に関係ねえだろ!どけ!

 

129

  

(チャイム)

フン!

あ!ヤベ!授業 授業!

 

130

  

(ボブ)お~いいね~。

 

131

  

(ダイアナ)制服かわいい。

 

132

  

コスプレじゃない本物。

初めて見ました。

 

133

  

お!すげ。いい写真撮れたぞ。

 

134

  

≪なになに?≫

(アヤカ)ホントだ。やばくない?これ。

 

135

  

やばい?どこが?

 

136

  

だって…いいじゃん。これ。

 

137

  

「やばい」っていいって意味でも

使うのかよ?

 

138

  

うん。

(生徒達)へ~。

 

139

  

みんな 知らないんだ。マジウケる。

 

140

  

全然ウケてないよ。

ウケてない時にも言うんだ。

 

141

  

マジウケる。

お~全然ウケてないよ。

 

142

  

スゲー真顔。

 

143

  

マジウケる~。

今度は ちゃんとウケてま~す。

 

144

  

どっちでも使うってことですね。

 

145

  

実用的ですね。

ちょっと!

 

146

  

おお~この子 ハルコの授業より

面白いぞ。

 

147

  

うるさいわね~授業 始まってん

だから早く席 着きなさい。

 

148

  

ねえ!

 

149

  

日本語の授業に興味あんの?

 

150

  

別に。

Phút 10- Phút 15

151

  

おい!

うわ~!ビックリした!

 

152

  

何?

ちょっと質問があるんだ。

 

153

  

何よ?

 

154

  

やっぱ いいや…。

気になるわね。言いなさいよ!

 

155

  

その~ 例えば…

まあ あくまで仮の話なんだが。

 

156

  

お前に…ものすごく長~い間

会えなかった父親がいたとする。

 

157

  

は?

だから仮の話だよ。

 

158

  

で お前は

そこに会いに行くとする。何故だ?

 

159

  

わかんないわよ。

だよな~。

 

160

  

てか 何?

その あやふやな質問。

 

161

  

要するに あの子が

何しにここに来たのか→

 

162

  

気になってるってことでしょ?

んなことは 一言も言ってないよ!

あくまで仮定の話だよ!

 

163

  

ふ~ん。聞き出してあげよっか?

えっ?

 

164

  

あの子が ここに来た理由。

そんなこと できんのかよ?

 

165

  

できるんですか?

ハルコ先生。

 

166

  

できるん…ですか?

ハルコ先生~。

 

167

  

元カリスマですから。こう見えても

人の扱いには慣れてるんで。

 

168

  

そっか。じゃあ頼むわ。

 

169

  

うっ!

ただし 条件があるわ。

 

170

  

もし それができたのならば→

 

171

  

今後一切 私の行動に

口出ししないって約束できる?

 

172

  

結構だ。俺が頼んだってことは

言うなよ。

 

173

  

あれ?父親の話は

仮の話じゃなかったっけ?

 

174

  

(コケッコッコー!)

(ピヨピヨピヨ)

 

175

  

♪♪~

 

176

  

さてと…。

 

177

  

何やってんだよ?入ってこいよ。

こっち!

 

178

  

えっ?

入って 入って。

 

179

  

どうしたんですか?

 

180

  

(アヤカ)すいません…

聞いてもいいですか?

何を?

 

181

  

皆さん

何で 日本に来たんですか?

 

182

  

俺は うどん屋になるため。

(アヤカ)は?

 

183

  

私は演歌歌手です。

俺 漁師。

私 忍者!

 

184

  

(アヤカ)意味わかんないし。

 

185

  

じゃあ 何で あんたは

ここに来たの?

 

186

  

この学校に来た理由は?

 

187

  

10年ぶりに

鷹栖先生に会いに来たんでしょ。

 

188

  

(ボブ)マジで!?鷹栖先生の娘かよ。

≪マジかよ?≫

≪ホント?≫

 

189

  

離れてる家族に

会いたいと思うのは当然です。

 

190

  

(王)私もたまに家族恋しい。

ハウスシックです。

 

191

  

ホームシックだろ!

 

192

  

私も息子に会いたいです。

 

193

  

え?

マリー 息子いんの?

 

194

  

うん。三番目の夫の。

(生徒達)ええっ!?

 

195

  

意外に波瀾万丈なんだ。

 

196

  

戦争で家族が離れて

会いたくても会えない人もいます。

 

197

  

会えるだけでも幸せです。

(王)せっかく会えたなら→

 

198

  

言いたいこと

言った方がいいです。

 

199

  

私は…あの人に確かめたいことが

あって…ここに来たんだけど。

 

200

  

ふうん…で?

 

201

  

中途半端じゃなく ハンパネェ

パネェ…→

 

202

  

ん?後ろにアクセントか。

パネェ パネェ!

 

203

  

ちょっと!

んっ!…お前かよ。

 

204

  

聞いてきたわよ。アヤカの気持ち。

ホントかよ おい!教えてくれよ。

 

205

  

アヤカ!

 

206

  

お前!俺から頼まれたって

言わずに 聞き出せつったろ!

 

207

  

あんたも ちょっとは

娘を見習えば?

 

208

  

アヤカはね あんたと話がしたくて

ここに来たのよ。

 

209

  

♪♪~

 

210

  

どうしても見ときたかったの。

あなたの仕事。

何で?

Phút 15- Phút 20

211

  

だって この仕事のために

私達を捨てたんだよね?

 

212

  

え?いや…

一概にそういうことではなく…。

 

213

  

私達のこと10年もほっといて

気にならなかったの?

 

214

  

気になるか ならないかといえば

ならないと言ったら嘘になるね…。

 

215

  

この仕事って何なの?

家族なんかより大事なの?

 

216

  

答えてよ。

 

217

  

う~ん…

そういったことに ついては→

 

218

  

そうおいそれと

答えるような問題ではなく→

 

219

  

今後 善処する所存では

あるんですけども…。

 

220

  

あ~ もう!何でそんな曖昧なの!?

イライラするわね。

もういい。

 

221

  

どこ行くのよ?まだ

どういう仕事か見てないでしょ?

 

222

  

そのために来たんじゃないの?

もういいの!

だいたいわかったし。

 

223

  

だいたいわかったしって

どういうことよ?

 

224

  

今の答えで十分よ。

 

225

  

はっきり言えないんじゃ→

 

226

  

どうせ大した仕事じゃ

ないってことじゃない。

 

227

  

私達…

そんなことで捨てられたんだ。

 

228

  

マジ ウケる。

 

229

  

待ちなさいよ!!

 

230

  

だいたいわかったとか言われて→

 

231

  

何で日本語教師ナメんなとか

言わないわけ?

 

232

  

あんた

いつも私に言ってんじゃない。

 

233

  

お互いわかったつもりになって

何なの?

 

234

  

これが あんたが言ってた日本人の

奥ゆかしいコミュニケーションなわけ?

 

235

  

じゃあ 家族より

自分の仕事の方が大切だった…→

 

236

  

そう言えばよかったのか?

 

237

  

言ったろ?はっきりさせない方が

いいことだってあるんだよ。

 

238

  

そんなの ただの言い訳じゃない。

 

239

  

自分の気持ちを

伝えようとしないで→

 

240

  

日本語の曖昧さに

逃げてるだけでしょ!

 

241

  

とにかく これ以上

関わらないでくれ。もう結構だ。

 

242

  

絶対

はっきりさせてやるんだから!

 

243

  

(鹿取)ずいぶん頑張ってますね。

 

244

  

う~ん!イライラしてきた。

 

245

  

何で日本語って

こう曖昧な表現が多いわけ?

 

246

  

それは…。

 

247

  

相手を思っていても→

 

248

  

はっきり伝えられないことって

あるじゃないですか。

 

249

  

けど 気持ちが伝わんなきゃ

意味ないじゃん。

 

250

  

ですよね。やっぱり。

 

251

  

ね これ 何て読むと思う?

 

252

  

「いか…た°」。

「た°」。

 

253

  

だよねえ。

 

254

  

♪♪~

 

255

  

ちょっと…。

いいから来なさい!

 

256

  

離してよ!

今のままじゃ あんた

ここに来た意味ないでしょ。

 

257

  

もういいんだって!

 

258

  

だって だいたいわかったし。

 

259

  

♪♪~

 

260

  

「わかった」に

だいたいなんてないのよ。

 

261

  

このままだと

あんたも あいつと一緒よ。

 

262

  

向き合わなきゃいけないものから

逃げてるだけ。

 

263

  

わかったつもりになってないで

向き合ってみれば?

 

264

  

あんたのために 10年分の

居残り授業してやるから。

 

265

  

授業?

 

266

  

早く!

 

267

  

じゃあ 始めるわよ~。

 

268

  

え~ みんなから質問が多かった→

 

269

  

日本語の あいまいな

表現についての答えですが。

 

270

  

「明確な基準はない!」というのが

答えよ。

え~!?

 

271

  

だから 慣れてってもらわなきゃ

仕方ないのよ。

 

272

  

何よ?それ!

ふざけんなよ。

そうだよ!

 

273

  

はいはい!

みんなの気持ちはわかるから。

 

274

  

実は昔 みんなと同じように

悩んでた人達がいたのよ。

誰だよ?

 

275

  

16世紀頃に日本に来た

ポルトガル人の宣教師たちよ。

はあ?

 

276

  

彼らは「ぱぴぷぺぽ」の発音で

悩んでたの。

 

277

  

半濁音ですか。

そう!もともと→

Phút 20- Phút 25

278

  

半濁音の丸のしるしは

日本には なかったものなの。

 

279

  

え~っ!?

 

280

  

これ なんて読みますか?

 

281

  

「はれ」だね。

 

282

  

じゃあ これ なんて読みますか?

「あっぱれ」。

 

283

  

同じ「は」なのに

「は」と読んだり 「ぱ」と読んだり!

 

284

  

どうやって

読みわけしてるんですか?

 

285

  

なんとなく…感覚っていうか?

 

286

  

感覚~!?

 

287

  

当時の日本人も 文脈によって

どう読むかを決めてたわけよ。

 

288

  

感覚で決めてるとか言われても

俺らムリだし!

 

289

  

なんとかしてください!

≪なんとかしてくださいよ≫

 

290

  

(ざわめき)

はいはい 静かに!

 

291

  

で ポルトガル人は

どうしたと思う?

 

292

  

♪♪~

 

293

  

はい これは

なんて読むでしょうか?

 

294

  

いか…とわ?読めません。

 

295

  

正解は…。

 

296

  

「いかだ」を ひとつ

作って欲しいのですが。

 

297

  

出た!まただよ!

 

298

  

いいか?うちが作ってるのは

「いかだ」じゃないの。

 

299

  

うちは「いかた」屋!

ほら これよく見てみろよ!→

 

300

  

「だ」じゃないですよって印

ちゃんと つけてるだろうが!

 

301

  

あ~!ホントだ。

 

302

  

この丸は

その印でしたか。

 

303

  

≪ああ≫

ん?

 

304

  

そこで ポルトガル人たちは→

 

305

  

この印を そのままもらって

半濁音の記号にしました。

 

306

  

じゃあ ぱぴぷぺぽの丸は

ポルトガル人が作ったの?

 

307

  

そう。彼らは この印をつけて

はっきりさせたの。

 

308

  

では やはり あいまいなものは

良くないという事ですか?

 

309

  

俺たちが言ってる事と

同じじゃん。

 

310

  

やっぱ日本語おかしいんだよ。

そうだよ。

 

311

  

(ざわめき)

 

312

  

はいはい 静かに!

 

313

  

やっぱり みんな そうなるよね。

そこで…。

 

314

  

うおっ!

あ~っ!

鷹栖先生!?

 

315

  

(ポール)何やってんだよ!

(エレーン)忍者ですか!?

 

316

  

いやいやいや…。

 

317

  

ようこそ 鷹栖先生。

 

318

  

さて みんな。この続きは

鷹栖先生に教えてもらいましょう。

 

319

  

うえ?

 

320

  

日本語を知るために

大事な事があるんでしょ。

お前 ちょっとさあ…。

 

321

  

鷹栖先生 この際

はっきりさせてくれよ!

 

322

  

そうだよ。

あいまいにしないでくれよ!

 

323

  

 

 

324

  

(咳払い)

お前達…。

 

325

  

なんでも はっきりさせる事が

大事なんじゃないぞ。

何でだよ!

 

326

  

日本語が あいまいなのには

理由がある。

 

327

  

日本語は この「和」の心を重んじて

断定を避けたり→

 

328

  

相手に配慮したりするから

あいまいになるんだ。

 

329

  

だが 大切なのは

あいまいだからといって→

 

330

  

投げ出さず

相手と向き合うことなんだ。

 

331

  

ポルトガル人宣教師たちは

きっと→

 

332

  

向き合うことを

諦めなかったんだろうなぁ。

 

333

  

わかりたい一心で 日本語の

文化の中に飛び込んだんだ。

 

334

  

だからこそ 彼らの残した

この小さな丸が→

 

335

  

今も日本語の中にあるんだ。

 

336

  

「和」の精神。

向き合う気持ちを

捨ててはいけませんね。

 

337

  

(ボブ)

難しくても諦めちゃダメだな。

 

338

  

さすが鷹栖先生!

素晴らしい授業です。

 

339

  

やっぱりハルコと違うな!

≪全然 違うよ≫

 

340

  

(拍手)

 

341

  

ちょ…ちょ…みんな待ってよ!

 

342

  

これ あたしがやったんだからね!

わかってないんだから もう…。

 

343

  

(王)ハルコ!わかってない!

 

344

  

わかってないのは

あんた達でしょ!

 

345

  

あたしが全部 やったんだから。

(ざわめき)

 

346

  

アヤカ…。

 

347

  

お前に 話しておきたい事がある。

 

348

  

 

 

349

  

お前の質問への答えだが…。

 

350

  

実は…捨てられたのは

父さんのほうなんだ。

Phút 25- Phút 30

351

  

えっ?

 

352

  

何の相談もせずに会社を辞めて

勝手に この仕事を選んだから→

 

353

  

母さんに愛想を

つかされちゃってな。

 

354

  

でも考えてみたら…本当は俺が

家族を捨ててたのかも知れん。

 

355

  

どういうこと?

 

356

  

わかり合えてたつもりになってた。

 

357

  

母さんと向き合わず

お前達の事も よく考えずに→

 

358

  

ひとりで勝手に決めてたんだ。

 

359

  

会えなかったのは

その罪悪感からだ。すまん。

 

360

  

しかし この10年間

お前達のことを→

 

361

  

忘れたことは 一度もなかった。

…お父さん。

 

362

  

あたしね 実は

今日の お父さん見てて→

 

363

  

もうちょっと一緒にいたいかも

って思った。

 

364

  

えっ!?

え…!?

 

365

  

いたい「かも」?

その「かも」っていうのは→

 

366

  

いたいってことを ほぼ

断定してるって意味だよね?

嘘でしょ!?

 

367

  

さっきの お父さん見て

私も決心がついたの。

決心!?

 

368

  

うん うん。

(アヤカ)私も…。

 

369

  

新しいパパのところへ

行こうって!

 

370

  

ええええっ!?

いやいや…新しいパパって?

 

371

  

遅くなってゴメンね アヤカ。

(アヤカ)お母さん!

 

372

  

早く。パパが自家用ジェットで

着く頃よ。

うん!

 

373

  

自家用ジェット?

ちょ…ちょ…

新しいパパって何者?

 

374

  

パパ ニューヨークの実業家なの。

ニュ…ニューヨーク?

 

375

  

だから私 海外で暮らすことに

一歩 踏み出せなかったんだけど。

 

376

  

今日 外国人の人たちとも

接することが出来たし!

 

377

  

最後に お父さんにも会えたし!

さ…最後?

 

378

  

ありがとうございました!

鷹栖先生!

 

379

  

行こ!お母さん。

あら もういいの?

 

380

  

うん!

パパが週末は

マイアミに行こうって。

 

381

  

(アヤカ)やった!水着どうしよう~。

(ジェット機の音)

 

382

  

あは…まあ ある意味 いろいろ

はっきりして よかったじゃない!

 

383

  

じゃ あたしは

これで帰りま~す。

 

384

  

待てよ!

はい?

 

385

  

ありがとな カリスマ。

 

386

  

(ドアの閉まる音)

 

387

  

(泣き声)

 

388

  

♪♪~

 

389

  

はっきり言わなきゃ伝わらない。

はっきり言わなきゃ…。

 

390

  

おはようございます。

 

391

  

カトリーヌ先生 おはようございます。

 

392

  

あの!

はい?

 

393

  

鹿取みゆきです。

 

394

  

あの よかったら

お茶でも どうですか?

 

395

  

ああ 自分でいれるから大丈夫。

いや!そうじゃなくて…。

 

396

  

今度 うちの茶室で。

茶室!?

 

397

  

あ いや…3人なんで お気軽に。

 

398

  

は…あ~すんごい お茶濁してる。

 

399

  

うわ…。

明日までに これ読んどけよ。

 

400

  

ちょちょ ちょっと…

あたしの授業に→

 

401

  

口出ししないって

約束したじゃん!

 

402

  

ん?そんな約束してないよ。

はぁ!?

 

403

  

だって あの時

約束するって 結構だって!

 

404

  

あ~!俺は あん時

「結構だ」としか言ってないよ。

 

405

  

あの「結構だ」は

ノーって意味でしょ。

いや ちょちょ…。

 

406

  

日本語の奥深さを

理解しないほうが悪いんだよ!

 

407

  

明日から これまで以上に

ビッシビシいくから 覚悟しとけ。

 

408

  

♪♪~

 

409

  

日本語って あいまいすぎ!

マジ ウケる~。